落ち葉
2007年10月16日
お背戸にゃ落葉がいっぱいだ、
たあれも知らないそのうちに、
こっそり掃いておいましょか。
ひとりでしようと思ったら、
ひとりで嬉しくなって来た。
さらりと一掃き掃いたとき、
表に楽隊やって来た。
あとで、あとでと駆け出して、
通りの角までついてった。
そして、帰ってみた時にゃ、
誰か、きれいに掃いていた、
落葉、のこらずすてていた。
-金子みすゞ童謡全集より-
朝晩肌寒くなり、街路樹が色づいてきました。歩道には落ち葉もチラホラ舞ってます。会社の前の道なので、気になりつつ通り過ぎると、いつの間にかきれいになっていて、はっとさせられます。
「誰にもほめられない、誰にも気づかれないけど、いいことをすること」を「陰徳を積む」といいます。この詩にあるように、自分で思いついて、ひとりでこっそり行うことは、楽しく、うれしくなることです。良いことをした私に満足する(自分を誇らしく思える)ことは、素晴らしいことですよね。『いいこと』という詩の中にも、『いつかいいことしたところ、通るたんびにうれしいよ』と表現されています。この詩では、楽隊に誘われて駆けだして、せっかくの思いつきを、他の誰かに渡してしまい悔やんでいる様子が、リズミカルに描かれています。
普通人は、良いことや親切をしたのだから、感謝して欲しいと思ってしまうことや、あとで、また今度、そのうちと先延ばしにしてしまうことがよくあります。
この詩を読むと、そんな気持ちをやさしい言葉で諭されているような気がします。




